飲んで美味しいのだから、料理にだって使いたい。
ウォーターサーバーを使いはじめると、その水で調理することも多くなります。
ここでは、料理・飲み物に使うお水について解説します。
最終更新:2018年2月22日
飲む水と調理する水では、選び方が違うのでしょうか?
料理に不適切な水というのはありませんが、水の性質で料理の味は確実に変わります。
いままでウォーターサーバーの水には2種類あり、天然水ベースのものとRO水があると説明してきました。料理に使う水はこの区分よりも「硬水か、軟水か」という、水の質の違いが大切になります。
硬水というのはミネラル成分の多い水のことです。軟水は逆にミネラル成分が少ない水です。このふたつは味も違いますが、身体や料理への浸透力にも違いがあるのです。
日本で得られる飲料水のほとんどが軟水ということもあり、和食は軟水で作るのが前提となっています。
これは長い年月をかけて培われた日本の文化といってもいいでしょう。和食の特徴的な味、たとえば「出汁」をとる料理は、軟水ならではのもの。硬水では抽出される成分が違ってくるのです。またごはんがふっくらと炊きあがるのも、軟水のおかげです。軟水はヒトの身体や、食材に染み込みやすい性格を持っています。
素材の味を大切にする日本料理の美味しさは、軟水によって生まれたといってもいいでしょう。
硬水には硬水に向いた料理があります。硬水で茹でたパスタは腰が強いのですが、日本では軟水なので茹でる時に塩(ミネラル)を足します。また肉などのアクを出すには硬水が向いていて、硬水で煮込んだ肉や野菜は煮崩れしにくいといわれます。シチューやポトフは硬水で作ったほうが美味しいということになります。
いっぽう硬水でご飯を炊くとパサパサになり、エグみや苦みが強調されるようになります。日本料理は硬水に向いていない、というのはこうした理由があるのです。
硬水、軟水の違いは飲み物にも影響します。日本茶のようなそこはかとない風味を楽しむ飲み物は、水が味を主張しない軟水で淹れるようにします。軟水はコーヒーや紅茶を楽しむにもいい水です。
しかしコーヒーには硬水向きの淹れ方もあります。たとえばエスプレッソコーヒー。高温の蒸気で細かな豆から抽出するエスプレッソは、軟水では味が濃くなってしまいます。また水道水が硬水のロンドンでは、硬水用にブレンドされた紅茶が販売されています。「日本とイギリスでは紅茶の味が違う」といわれますが、これも水の違いです(スコットランドは軟水です)。
さて、料理や飲料全般に向いているのは軟水ですが、パスタのように塩をうまく使うことで硬水向きの料理もおいしく作ることができます。天然水、RO水のどちらが料理に向いているかは好みになります。
ただ、まったく無味無臭の水よりも、微量のミネラルを含んだ弱アルカリ性の天然水のほうが、お米との相性はいいと言われています。RO水にはいろんなミネラル成分を足しているものがあるので、いちど成分を確認しながら料理や飲み物を作ってみるといいかもしれません。
まとめ
・日本食をはじめ、多くの料理は軟水で作るのに向いています。
・パスタなどの硬水の地域で生まれた料理も、塩を加えミネラル成分を足せば美味しく作れます。
・天然水、RO水どちらが料理に向いている、ということはないので好みでウォーターサーバーを選んで良いでしょう。
ご利用上の注意